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刑事事件(当番弁護士制度)のご相談

刑事事件で容疑を持たれている方に関する
法律問題についての相談です。



こんな時にはご相談ください。

  • 逮捕されてしまったが、弁護士に相談したい。
  • 家族が逮捕されてしまったが、どうしたらよいでしょうか?

当番弁護士の派遣について

当番弁護士とは、身柄拘束された被疑者に対し、被疑者や被疑者の家族などからの申出に基づいて、弁護士会が1回の接見に限り無料で弁護士を派遣し、被疑者の相談に応じる制度です。

当番弁護士派遣依頼

東京三弁護士会刑事弁護センター 当番弁護士の派遣をします。

依頼方法

お電話ください。 03-3580-0082
受付時間(年中無休)10:30~17:00

何をしてくれるの?

弁護士が、身柄拘束をされている警察署等に出向き、被疑者の方と接見(面会)して相談に応じます。
捜査機関の取調べで、自分の身に覚えがないことを認めてしまうと、裁判になってから本当のことを言っても取り返しのつかないことになります。そこで、当番弁護士は、被疑者の方の相談に応じて、逮捕後の刑事手続きの概略や、取調べに当たっての注意点など、身柄拘束されている被疑者の方にとって重要な法的アドバイスをします。

また、実際に犯罪を犯してしまった場合でも、どのように社会復帰するのかなどのアドバイスをします。
被疑者の方のご希望に応じて、1回の接見だけではなく、正式に弁護人となってその後継続的に弁護活動をするということもできる場合があります。

費用はかかるの?

1回目の接見費用は弁護士会が負担しますので、無料です。
上記のように、被疑者の方のご希望に基づき、当番弁護士が弁護人(私選弁護人)となった場合には、以後の弁護活動は有料となります。なお、十分な資産や収入のない被疑者の方のために、刑事被疑者弁護援助制度という弁護士費用の援助制度があります。

身柄拘束が続き、勾留という手続きが取られると、当番弁護士が国費による国選弁護人となる場合もあります。

Q&A

警察から事情を聴きたいので警察署まで来てほしいと言われました。どうすればよいでしょうか。

この場合、あなたは警察から任意の同行(出頭)と任意の取調べ(事情聴取)を求められていることになります。
まずは、あなたがどのような立場で取調べを受けるのかを確認しましょう。捜査機関から取調べを受ける立場としては、大きく分けると①被疑者(犯罪を犯したと疑われている者)と②それ以外(被害者や参考人など)に分けることができます(ただし、後者の場合であっても、後に被疑者となる場合もあるので、注意が必要です)。
後者の場合であれば、捜査機関も比較的柔軟な対応をしてくれることが多く、出頭できない事情等を説明すれば、取調べ(事情聴取)の日時・場所の調整に応じてもらえることが多いでしょう。中には電話での聴き取りで終わる場合もあります。
これに対して、前者の場合(被疑者の立場にある場合)には、より慎重な対応が求められます。もし既に捜査機関が逮捕状を持っているのであれば、あなたが任意同行を拒否すると、その場で逮捕されることになるでしょう。一方、逮捕状が出ていない段階であれば、任意の同行は、文字通り「任意」ですので、その対応は被疑者以外の場合と基本的には変わりません。しかし、任意同行を拒めば、捜査機関はあなたに説得を試みるでしょう(犯罪が重大であれば、もはや任意とは言い難いような執拗な説得が行われることもあります)。また、正当な理由もなく出頭を拒み続けると逮捕状が出る可能性もゼロではありません。ですから、被疑者として出頭を求められている場合には、その対応は勿論、その後に行われる取調べへの対応も重要となりますので、弁護士に相談することをお勧めします。

家族が逮捕されてしまいました。どうしたらよいでしょうか。

まずは落ち着いて、家族がどこに留置されているのか、家族との面会が可能か、家族がどのような容疑で逮捕されたのか等、可能な限りの情報を警察から聴いておきましょう。その上で、弁護士に相談することをお勧めします。もし弁護士に心当たりがないのであれば、当番弁護士センターに連絡をしてみましょう(逮捕された被疑者はもちろんですが、その家族でも当番弁護士を呼ぶことができます。
また、なるべく早く家族が面会に行ってあげることをお勧めします。逮捕された方は、突然のことに大きな不安や恐怖を感じるものです。ですから、家族や知人が面会に来てくれるだけでも安心します。もっとも、事件によっては、弁護人以外の者との面会が禁止されている場合があります。そのような禁止がされていなくても、取調べ等に出ていて、留置施設にいないこともあります。ですから、面会に行く際には、事前に留置施設に電話を入れて、本人が留置施設にいて面会が可能かを職員に確認しておいた方が良いでしょう。なお、面会禁止になっている場合でも、衣類や現金などの差入れは可能です(ただし、フード付きの衣類は差し入れられない等、差し入れられる物には制限もありますので、その点も事前に留置施設の職員に確認しておくと良いでしょう)。

逮捕されてしまうとその後はどうなってしまうのでしょうか。

「逮捕」されることにより、被疑者は、捜査機関(警察)に身体を拘束されます。警察官による取調べがなされ、48時間以内に検察庁に事件が送られます。
検察官は、警察から事件を受け取った後24時間以内(逮捕の時から72時間以内)に、簡単な取調べをした上で、さらなる身体拘束(勾留)の必要があると判断した場合には、裁判所に「勾留請求」をします。反対に、検察官が勾留の必要がないと判断した場合には、被疑者は釈放されます。
裁判所に「勾留請求」がなされると、裁判官による「勾留質問」が行われ、勾留するかどうかが検討されます。裁判官が勾留を認めると、原則として「勾留請求」された日から10日間、身体を拘束されます。検察官が、裁判所に対して、勾留期間がもう少し必要だとして「勾留延長」を請求し、これが認められると、さらに10日間まで勾留が延長されます。反対に、裁判官が勾留を認めなければ、被疑者は釈放されます。
勾留期間内には、身体を拘束されるだけではなく、警察官や検察官の取調べが行われます。取調べ以外の捜査も行われます。
その結果を踏まえ、検察官は、勾留期間内に、被疑者を「起訴」するか、「不起訴」にするかを決めます。起訴された場合は、裁判所で裁判が行われることになります。不起訴の場合は釈放されますが、起訴された場合は、そのまま身体拘束が継続されることがほとんどです。その場合、身体拘束を解くための「保釈」という制度があります。

弁護士に依頼をするかどうか、迷っています。どうしたらよいでしょうか。

警察官から「こんな事件で弁護士をつけても仕方がない」などと言われることがあるかも知れません。確かに、弁護士を付けたからといって(弁護士を付けることを弁護人の「選任」といいます)、すぐに釈放されるとか、起訴されずにすむという保証はありません。
しかし、被疑者という立場に立たされた人の権利や利益を守るためだけに活動するのは弁護人しかいません。また、弁護人でなければできないこともたくさんあります。
例えば、弁護人は、時間等の制限を受けることなく被疑者と面会することができます(弁護人の面会には立会人も付きません)。そして、被疑者が捜査機関から不当な取扱いをされれば、弁護人は、それをいち早く察知し、是正のための手段を講じます。さらに、身体拘束自体が不当であれば、不服申立てもします。ときには面会を禁止されている家族に代わって本の差入れなどもします。何より弁護人の活動の中で重要なのは、取調べに臨む被疑者へのアドバイスです。
取調べでは、取調官(刑事や検事)が被疑者の話をまとめた供述調書と呼ばれる書類を作成したり、被疑者自身が自筆の書類を作成させられることがあります。そして、これらの書類は、起訴・不起訴の判断材料になるのはもちろんのこと、起訴された後の裁判で証拠とされることがあります。しかも、このときに作成された書類が思い掛けず裁判で不利な証拠になってしまうことがあります。そして、「自分はそのようなつもりで言ったのではない」とか「自分の話した内容と違うのではないかと刑事に言ったら、同じ意味だからと言われたので、そういうものかと思ってサインした」などと裁判で主張をしても、もはや手遅れであることも少なくありません。ですから、被疑者とされた段階で速やかに弁護人を選任して、適切なアドバイスを受けながら取調べに臨むことがとても重要なのです。

国選弁護人はいつ付くのでしょうか。

国選弁護人は選任時期の違いから次の2つに分けられます。
1つは起訴される前の被疑者国選弁護人、もう1つは起訴されてからの被告人国選弁護人です。
かつて前者の対象となる事件はかなり限られていましたが、2018年6月からは、対象事件が「被疑者が勾留されている全事件」に拡大されました。被疑者として逮捕され、その後身柄拘束手続が勾留の段階に進む際に、被疑者の方が要望すれば、資力要件を満たす(保有する現預金が50万円未満であるなど)すべての被疑者の方に被疑者国選弁護人が付きます。
もっとも、逮捕されただけで、勾留の段階に進んでいない被疑者の方には被疑者国選弁護人は選任されません。このような被疑者国選の対象から外れた部分(逮捕段階や被疑者国選対象となっていない事件)を埋める制度として被疑者援助制度があります。この制度は、日本弁護士連合会が日本司法支援センターに委託して実施している事業で、資力の乏しい被疑者の方でも一定の要件を充たせばこの制度を利用して弁護人を選任することができます。

弁護士の費用はどれ位かかるものなのでしょうか。

弁護士の費用については統一的な基準が定められているわけではないので、一概にいくらとはいえません。また、事実関係に争いがあるか否か等、事件の内容によっても費用は変わってきます。ただ、一般的には、着手金・報酬金がそれぞれ30万円前後という場合が多いといわれています。なお、着手金とは弁護士が事件に着手する段階で必要になる費用であり、報酬は事件終了の段階で弁護士の仕事の結果に対する報酬として支払われる費用です。
また、着手金・報酬金は、起訴される前の段階と起訴された後の段階、さらには一審判決に不服があるとして控訴した段階等、それぞれの段階で発生するのが基本です。
一方、国選弁護人の費用(報酬)は、国(法テラス)から支払われます。しかし、国選弁護人だからといって、全く無料というわけではありません。裁判所が被疑者・被告人に資力があると判断した場合には、裁判(判決)の中で「訴訟費用」として一定額の支払いを命じることがあります。この「訴訟費用」には証人の日当等の他に被疑者国選・被告人国選の弁護人が受け取る報酬も含まれているのです。
もっとも、被疑者・被告人が貧困のために訴訟費用を支払うことのできないことが明らかな場合には、判決でこの訴訟費用を負担しなくてもよいと判断されます。そして、資力が乏しいことを理由に国選弁護人が選任されたような場合であれば、多くの場合、被告人に訴訟費用の負担が命じられることはありません。
なお、「被疑者援助制度」についても国選弁護の場合と同様、事件終了後に費用の全部又は一部の負担を求められることもありますが、そもそもこの制度を利用するためには資力が乏しいことが要件となっているので、実際に費用の負担を求められるケースは多くありません。

「保釈」してもらうにはどうすればよいのでしょうか。

「保釈」とは、住居制限や現金(保釈保証金)納付等を条件に、勾留中の被告人の身体拘束を解く制度です。
保釈は、「被告人」の立場になってから利用できる制度なので、保釈請求ができるのは、被疑者が起訴された後になります。
法律上は本人や親族も請求が可能ですが、担当弁護人に請求してもらうのがよいでしょう。ただし、保釈請求すれば必ず認められるというわけではなく、裁判官・裁判所が法律の要件に照らしてその適否を判断することになります。事件の性質、事実を認めているか、釈放する必要性などが参考にされています。
また、保釈を認める条件として納付させる現金の金額も、裁判官・裁判所が、様々な事情を考慮して定めます。
手持ち現金が少ない場合であっても、全国弁護士共同組合連合会の保釈保証書発行事業や、保釈金貸付業者が利用できる場合もありますので、担当弁護人に相談してみてください。